医療ニュース

房室結節は日本人が発見

田原-アショフ結節

房室結節(atrioventricular node: AV node)は

心臓の刺激伝導系の一部です。


房室結節をはじめとする刺激伝導系は、

大分県出身の「田原淳(たはらすなお)」先生

が発見されました。



房室ブロックの診断や治療など、

たくさんの患者さんの命を救う発見です。

○歳で房室結節を発見!

田原先生は1873年に、

大分県東国東郡(現国東市)で生まれました。


1901年に東京帝国大学(東京大学)医学部を卒業し、

1903年に私費でドイツに留学しました。


マールブルク大学の病理学教室で

ルードヴィヒ・アショフ先生に師事され、

哺乳類の心臓筋肉について研究されました。


そして1905年、

田原先生が33歳のときに

房室結節を発見されました。

心臓には「刺激伝導系」という経路があって

電気刺激が伝わることで心臓が動く。

そしてヒス束もその経路の一部であるという発見をされました。


後に「房室結節」と呼ばれるようになりますが、

発見者の名前から

「田原結節」

「田原アショフ結節」


と呼ばれることもあります。


研究の成果は、翌年1906年に

「哺乳動物の心臓における刺激伝導系統」

と題して発表されました。

心電図が意味のあるものに

1903年にオランダの

生理学者ウィレム・アイントホーフェン先生が

「弦線電流計」という心電計装置を発明しました。

ecg

この心電計は100年以上前のものですが、

現在のものと大きく変わらないほど

正確に心電図を描き出していました。



しかし、波形の意味を知るほどの

学問的な水準はありませんでした。



田原先生が刺激伝導系を発見されたことで

心電図は意味のある、

医療にたいへん役立つものになりました。

田原先生の情熱に感謝

田原先生は私費で留学され寝る間も惜しんで研究をされました。

先生のおかげでたくさんの患者さんが救われています。

同じ日本人、医療従事者として先生の情熱に感謝ですね。

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