一般的な接遇と、
病院での接遇は少し違うので、
「接遇はできていたつもりだけど、
病院で働きだしたら
クレームを言われてしまった。」
「接遇をきちんとしようと言われるけど、
具体的に気をつけることが分からない。」
という方も多いと思います。
コメディカルスタッフや、これから目指す学生さん、
メディカルクラークさんなど
いろんな人が悩んでいると思います。
病院は老若男女いろいろな人がくるので、
100人いれば100通りの
対応があると思います。
特に認知症の患者さんへの対応は
苦手な方多いと思います。
医療接遇に対する苦手意識を
なくすためのポイントをまとめました。
医療接遇の6つのポイント
よく見ること
患者さんに説明をする場面はたくさんあります。
でも、きちんと伝わっていないと、
言った言わないのトラブルになります。
「理解はしたけど、納得はしていない。」
「聞き取れなくて、もう一度聞こうと思ったけど
説明が終わってしまった。」
というクレームはよく耳にします。
患者さんは納得していれば大きく頷いたり、
リアクションがあると思います。
逆に理解していなかったり、疑問がある場合は
不満そうな表情をしているはずです。
しっかりと患者さんの表情を見ながら、
理解度を確認しながら説明をしましょう。
よく聴くこと
患者さんの声に耳を傾けて心から聴くという、
いわゆる傾聴が必要です。
音として聴くのではなくて
しっかりと受け止めないといけません。
忙しくて、パソコン操作をしながら、
検査をしながらとか
片手間に患者さんと会話を
してしまうこともあると思います。
そういった対応は患者さんからすると
「ちゃんと聞いてくれなかった。」
「無視された。」
と感じる人もいます。
患者さんの目を見てしっかりと頷き、
患者さんの心に寄り添うことが必要です。
表現力
言葉遣いや声のトーン、しぐさ、表情などで
聞こえ方は変わってきます。
例えば、患者さんから
「検査結果はどうですか?」
と聞かれた時に、
明るい表情で語尾を上げて
「変わりないですね!」
と言うと以前と同じで悪化していなくて
大丈夫という印象に聞こえます。
曇った表情・低めのトーンで
「変わりないですね。」
というと以前と同じで悪いままという
印象に聞こえてしまいます。
同じ言葉でも表現によっては
正反対に聞こえてしまいます。
表現力を磨いて自分の気持が
正しく伝わるようにしましょう。
配慮する
患者さんのほとんどは
どこか体調が悪いから来院しています。
身体的、精神的苦痛を和らげてほしい、
取り除いてほしいと思って来院しています。
医療従事者の専門知識と
患者さんの感情との間には
大きなギャップがあったりします。
我々から見て大したことのない病気でも
患者さんは大きな病気だと
思っている場合もあります。
逆に難しい病状でも
患者さんは治ると
思っている場合もあります。
我々の基準で決めつけずに、
患者さんの気持ちに
気づいて配慮することが重要です。
また、検査や処置にはどうしても
痛みを伴うものがあります。
「痛かったけど、言ったら
叱られそうで怖かったから
言えなかった。」
というクレームもあります。
痛いのが当たり前な検査や処置でも、
患者さんにとっては
初めての場合もあるし、
痛いものは何回やっても痛いです。
例えば、採血で失敗されたのに
ヘラヘラされたり、
痛いと言った時に笑われたりしたら
嫌な気持ちになると思います。
痛みを伴う検査や処置の場合は
事前によく説明をしたり、
痛いときには声掛けをしてもらうように
言いやすい雰囲気にしたり、
適切な言葉がけで患者さんに
安心してもらうことが必要です。
意識する(患者さんから見られていますよ!)
皆さんも患者として病院に行ったとき、
「そろそろ呼ばれるかな?」
「受付の人たちは大きい声で世間話しているな~」
とか医療従事者の動きが気になりませんか?
同じように皆さんも
患者さんによく見られています。
「受付で大きな声で世間話をしていて
不愉快で気分が悪くなった。」
というクレームもあります。
病院でユニフォームを着て働いている限り、
どこでどんな人に見られている、
聞かれているか分かりません。
休憩時間だろうが帰宅前だろうが
患者さんには関係ありません。
意図していなくても患者さんを
不快にさせてしまえば、
それはクレームに繋がります。
医療従事者であることをしっかりと
意識した振る舞いを心がけましょう。
医療従事者は見た目が100%
「人は見た目が9割」
という書籍がありましたが、
医療従事者は「見た目が100%」
と言ってもいいかもしれません。
皆さんも清潔感のある医者と、
金髪の医者だったら
どちらに診てもらいたいですか?
金髪は極端な例ですが、
白衣やシューズの汚れ、
華美なアクセサリーなどは要注意です。
患者さんは細かい所まで見ているので、
見た目でもクレームに繋がります。
「病院=清潔な場所」という認識があるので、
清潔感を保って信頼感を
与えられるようになりましょう。
もちろん診察室や検査室などの
清潔、整理、整頓を保つことも重要です。
最初は意識しないと難しい
それぞれのポイントは
そんなに難しいことではないと思います。
でも、ぜんぶ実行するのは
なかなか難しいことです。
最初は意識しないとできないかもしれません。
毎日やっていくといつの間にかできるようになっています。
クレームをなくすことが目的じゃなくて、
患者さんのために行う
という気持ちを忘れずに取り組んでいきましょう!