2020年3月中旬以降のJSEの取り組み
Review of the efforts of the Japanese Society of Echocardiography for coronavirus disease 2019 (COVID-19) during the initial outbreak in Japan.
J Echocardiogr. 2020 Dec;18(4):226-233. doi: 10.1007/s12574-020-00487-5. Epub 2020 Sep 5. Erratum in: J Echocardiogr. 2020 Oct 1;: PMID: 32892279; PMCID: PMC7474571.
Seo Y, et al.
COVID-19のパンデミック下で日本心エコー図学会(JSE)は、心エコー検査に関与する医療スタッフの保護と検査による二次感染の予防に取り組んでいます。
論文によると2020年3月中旬以降から取り組みを始めたようです。
検査の対応などをどうするか、混乱していた時だったのでとてもありがたかったです。
注目したい2つの取り組み
- 感染管理関連
- パンデミック下での検査法のビデオ作製
取り組みは、論文では6つ挙げられていますが、特に注目したい2つの取り組みを紹介します。
感染管理関連
心エコーはプライバシーの観点から閉所で行います。
密室で患者さんと接触するため感染のリスクは高いです。
さらに、経食道心エコー検査(TEE)ではプローブを食道に挿入するため、飛沫とエアロゾルによる感染のリスクが非常に高いです。
普段はみなさんも気にせずに行ってたと思います。
JSEではまずはじめに、
- 適応や検査スケジュールを見直して緊急性のない検査の削減
- COVID-19陽性、疑い、可能性低い患者ごとの感染予防対策、個人防護(PPE)の適切な選択
について声明が出されました。
これだけでも、現場のスタッフにとってはありがたいものでした。
検査の削減については一番のリスク回避です。
また、PPEの選択については過剰な装備になってしまっては業務に支障が出ますので一例が提示されたことはよかったです。
また、米国の心エコー学会(ASE)が出した声明もわかりやすく日本語訳されました。
こちらも迅速な対応でした。
ステートメントはこちら
パンデミック下での検査法のビデオ作製
ビデオでは声明に従った検査法が紹介されています。
実際の病院での事例の紹介ですので非常にわかりやすいです。
英語での字幕もついており海外の方へも配慮されています。
今後、未知の感染症にも対応できる
日常業務に非常に役にたっていますし、将来の未知の感染症にも対応できると思います。
パンデミック下で大変な中での対応、JSEの先生方に感謝です。