仕事術

ISO15189本審査での生理検査技能試験の内容は?

筆記と実技があります

筆記試験は簡単なので軽く説明します。


筆記試験は日臨技のサーベイレベル

の問題が出されたという情報が多いです。

ただ、審査員によって違うようです。

独自に作成した難問を持ってくる審査員もいるようです。


わたしが受審したときは

筆記試験の問題が配布されて

回答は翌日回収でした。

緊張せずにできましたよ。

これも審査員によって違う場合があります。

実技試験

実技試験は

  • 心電図
  • 肺機能検査
  • 脳波
  • 超音波(腹部、心臓)

の4つの分野で、

それぞれ2名ずつ試験を受けました。

実技+口頭試問です。


2名は、

経験の浅い人、

中堅くらいの人


から1人ずつこちらから選出します。


ひとつずつ解説しますが、

共通するのは、2人ずつ別々に同じ試験を

受けるので2人とも必ず

「標準作業手順書(SOP)」どおりに

検査しなければいけません。


違う手技をしてしまうと「不適合」になります。


また、生理検査の責任者は

試験に立ち会う必要があるので、

自分たちのSOPや精度管理などについて

熟知しておく必要があります。



最後のほうで、

実技試験で失敗したときはどうなるのか?

その後の対応は?


について解説します。

心電図のポイント

標準12誘導心電図を行います。

患者の呼び出しから退出までです。

患者確認、清拭するかどうか

  • 患者確認は名前でするのか?生年月日でするのか?
  • 抵抗を落とすために清拭を行うか?

これは施設によって違うと思います。

試験ではどっちでもいいです。


大事なのは2人ともSOPどおりに

できるかどうかということです。

胸部電極の位置

人によって少し装着位置が

違ったりするので事前に確認が必要です。

精度管理や力量評価のほうにも関わってきます。


胸部電極の位置は例えば、

「V1、V5のR波の比」

などを使えば装着位置のずれを評価できます。

(評価できればなんでもいいです。)

急変対応

負荷心電図をしている施設も多いと思います。

急変対応については心電図以外でも聞かれます。

共通する部分が多いので後述します。

肺機能検査

肺活量と努力性肺活量を行います。

肺機能検査が好きな審査員は

他にもさせるかもしれません。

結果の選択

肺機能検査は通常2回以上行うことになっています。

実技試験でも2回しましょう。


なぜその結果を選択したか

根拠を問われます。



もし1回しかしなかったら、

1回しかしなかった根拠があれば

許容されるかもしれません。


それぞれSOPに記載があるといいでしょう。

ガスを使う検査

ガスを使う検査の場合、

再検するときはインターバルが必要です。

どれくらい時間を空けるのかなど

SOPに記載が必要です。

耳の不自由なかたなど

肺機能検査では患者さんの協力が必要です。

耳の不自由なかた、

日本語の通じないかたなど

事前に対応の仕方を考えておきましょう。

口頭試問できかれます。

脳波検査

脳波検査は装着までは通常通りです。

賦活試験をするかは審査員によって違います。

装着方法

メジャーを使う施設、

Czだけメジャーを使う施設、

まったくメジャーを使わない施設

施設によっていろいろです。


無理にメジャーを使う必要はありません。

普段している方法をSOPに記載してあればよいです。



「目分量で装着していいのか?」

と思われるでしょうが、

精度管理で技師間差が評価されていれば問題ないです。

発作出現時の対応

これは脳波検査特有の対応です。

発作が起こった時は主治医などに連絡するか?

記録はどうするか?

患者さんの対応はどうするか?

SOPに定めておく必要があります。

シールドルームの問題

シールドルームは密室で声も聞こえません。

患者さんに襲われる危険性もあります。

閉じ込められる危険性もあります。


外部との連絡方法は必ず必要です。

実際に外部との連絡はさせられました。

超音波検査

テクニックを見られるわけではありません。

SOPに定めた手順どおりにできているかの確認です。

プライバシー

照明は明るすぎると患者さんは恥ずかしいです。

暗すぎると手元や足元が見えないので危ないです。

適切な照明の調節が必要です


SOPに書いてもいいですが、

最低限、共通の認識は持っておきましょう。


施設によってはエコー室が個室ではなく、

カーテンなど仕切りで区切られていることもあります。


建物の問題なので仕方がないですが、

間違って開けられたり、

外から見えないように努力は必要です。

急変対応(共通)

急変時の対応については

必ず聞かれます。

新人さんが実技試験をされる場合は

知らないこともあるので事前に

教えてあげましょう。(試験のためだけじゃなく)

スタットコール

コールのやり方や

救急カートやAEDの場所など

は必ず聞かれます。


生理検査室だけのコールがある場合は

実際にテストされることもあるようです。

酸素

特に肺機能検査の時に聞かれます。

酸素投与中の方の検査のしかたも

聞かれた施設もあるようです。


部屋によっては酸素の配管がないこともあるので、

酸素ボンベを常備しておくのがよいでしょう。

嘔吐対応

嘔吐の対応について聞かれたのは意外でしたが、

聞かれることは多いようです。



袋、エプロン、手袋など

嘔吐対応セットがあった方がいいです。


また、嘔吐後の清掃はだれがするのか?

清掃業者?

生理検査スタッフ?

その他のスタッフ?

迅速な処理が必要なので院内での取り決めを

知っておいた方がいいです。

実技試験で失敗!どうなる?

結論から言うと、

失敗してもそれだけで

審査に落ちることはないです。



なので、実技試験の担当になっちゃても

緊張せずに受けてください。

失敗しても悪いのはあなたではなく、

SOPの内容などシステム上の問題です。



実技試験の結果は不具合があれば

「不適合」

などの指摘事項となります。

その不適合が是正されれば問題ありません。

例えば、肺機能検査を行った2人の

手技が違っていたとします。

SOPの手技に関する記載が不十分であれば、

SOPについて不適合の指摘がされます。


その場合、SOPを修正して周知すればオッケーです。


手技自体が未熟だったりすると、

力量評価とか教育の問題になってしまいますので、

再教育などの必要がある場合もあります。


でも、基本はSOPなどの修正が多いと思います。

大事なのは指摘事項への対応

ISO15189の技能試験は自分たちが

普段やっている検査の手技などを

第三者に確認してもらうためです。


無理して普段やっていないことを

SOPに書いていたりすると

手間が増えたりしてスムーズに

仕事が進まなくなってしまいます。



背伸びをせずに自分たちの手技を見てもらって、

指摘事項については真摯に受け止めましょう。


SOPは一度作って終わりではないので、

指摘してもらって改善していきましょう。

ABOUT ME
げんじろう
こんにちは!げんじろうです! 病院で検査技師として働いています。 循環器などが専門です。 自身の不妊治療の経験から胚培養士に転職! 妊活患者さんやコメディカルスタッフ、学生さんに役立つ情報を発信していきます。