厚生労働省は5月31日の検討会で臨床検査技師と救急救命士をワクチン接種の打ち手とすることを承認しました。
検査技師は日常業務で採血をしている方も多いです。
技師会の宮島会長が検査技師もワクチン接種の打ち手になれるであろうと要望をされたようです。
ワクチン接種をするためには?
採血を普段からしているとはいえ、現在は法的に筋肉注射をすることはできません。
今回は特例として以下の3つの条件を満たした場合に接種が可能になります。
- 医師や看護師が確保できない特設会場での集団接種
- ワクチン接種のための筋肉注射について必要な研修を受けていること
- 被接種者の同意を得ていること
研修については講義と実技研修が必要です。
権詐欺師の場合、講義は技師会のホームページで受講できる約150分の講義を受講します。
そして講義を受講した上で、各都道府県の技師会などが主催する実技研修を終了する必要があります。
実技研修は看護協会などの協力を得て実施されるようです。
ワクチン接種は非常に神経を使う
すでに実技研修を終えた検査技師の感想としては、
「薬剤注入の経験がなく、非常に神経を使う。」
とのことです。
ワクチン接種をする三角筋は普段採血をしている部位とは全く違います。
腋窩神経や橈骨神経の損傷などの合併症もあります。
また、きちんと筋肉内にワクチンが注入できたかどうかは、ワクチンの効き目に直結します。
非常に神経を使いますし、責任重大です。
非常に短い講習ですが、安全性や正確性を高めるためにしっかりと学んでおきたいですね。
打ち手への参画は賛否両論
ワクチン接種を加速させるためにもワクチンの打ち手を増やすことは重要です。
また、世間から注目されることで技師の立場の向上も期待されます。
一方で日常業務との両立が課題と言われています。
検査技師はすでに新型コロナウイルスのPCR検査を担っています。
PCR検査に対しては、
「PCR検査の拡充を」
「検査の質も保証すべき」
などの声もあがっています。
PCR検査は以前より広がってきていますが、まだまだ課題があります。
PCR検査の質と量を確保しつつ、ワクチン接種という新しい業務をしなければなりません。
臨床検査技師も救急救命士もコロナ禍ですでに多忙を極めています。
ワクチン接種に人員を導入すれば本来の業務に支障をきたす恐れがあります。
実際にどのくらい打ち手が集まるのか、本来の業務に影響はないのかが懸念されます。