2021年3月9日→15日
「日本不整脈心電学会」
「日本脳卒中協会」
の2つの団体が
「心房細動週間」3月9日→15日
というのを定めています。
心房細動とは何か、
心房細動が引き起こす脳梗塞とは何か
を国民に広く知ってもらって
心原性脳梗塞を予防しようという啓発活動です。
3月9日は「脈の日」
心房細動週間の中で
3月9日は「脈の日」
として日本記念日協会に登録されています。
語呂合わせで、3(みゃ)月9(く)日
とのことで、覚えやすいですね。
心原性脳梗塞の恐ろしさ
脳卒中の約6割が脳梗塞(血管がつまるタイプ)です。
その中でも、心房細動などが原因で心臓にできた
血の塊(血栓)が脳や首の血管につまっておこる脳梗塞、
いわゆる「心原性脳梗塞」は2~3割をしめます。
脳梗塞の範囲が広いので死亡率は2割もあり、
寝たきりなどの後遺症も4割あります。
心原性脳梗塞の約75%は心房細動が原因と言われています。
心原性脳梗塞を防ぐには?
心房細動への適切な治療が行われていれば
約6割の脳梗塞を予防することができます。
治療としては、
- 血液をサラサラにする抗凝固療法(薬物療法)
- カテーテルで心房細動の原因を焼き切るアブレーション
などがあります。
ただ、心房細動の約4割は症状がない(無症候性)という報告もあります。
症状のない人や、発症して間もない人を
いかに拾い上げるかが大きな課題です。
心房細動を見つけるには?
いろいろな心電図の機械があります。
種類 | 検査時間 |
---|---|
心電図 | 10~20秒 |
ホルター心電図 | 24時間 |
イベントレコーダー | 2~4週間(手動や自動の機械あり) |
植込み型心電計 | 約3年 |
Apple Watch | リズムチェックと手動記録 |
心電図
いわゆる「標準12誘導心電図」のことで
皆さんが想像している病院で受ける心電図のことです。
10~20秒程度で終わるので簡単ですが、
検査中に心房細動でなければ診断できません。
持続性の心房細動の人なら発見できますね。
ホルター心電図
小型の機械を取り付けて24時間測定します。
シールをだいたい5枚とコード、本体です。
防水タイプの機械ならシャワーを浴びることができます。
病院でする心電図よりもかなり長時間なので
24時間以内に発症していれば診断できます。
イベントレコーダー
症状があった時に手動で記録ボタンを押すタイプや
発作時に自動で記録してくれるタイプがあります。
ある研究では、
24時間で心房細動が見つかった患者の割合は2.2%
だったのに対して、
2週間だと11.6%心房細動が見つかったそうです。
ただ、長期間つけておかないといけないのが難点ですね。
シールタイプや巻きつける(着る?)タイプなどがあります。
だいたいお風呂前に取り外して、
また自分で装着することが多いと思います。
同じようなところに長期間つけるのでかぶれたりします。
植込み型心電計
胸の皮下に植え込むタイプです。
約3年間と記録時間がとても長いのが特徴です。
心房細動など不整脈が起こった時は
自動で病院に通知して
医師などの医療スタッフが確認することもできます。
※緊急対応のためのシステムではありません
サイズはある機種を例に挙げると
- 約45mm×7mm×4mm
- 容量は1.2cc
と、かなり小型です。
ただ、皮下に植え込むので気になるとおもいます。
YouTubeに植え込み方があったので、ご参考に。
Apple Watch
病院で行う検査ではありませんが、
Apple Watchでも心房細動のチェックができます。
こちらの記事でまとめています。
まとめると、
- 手動で心電図アプリを使って心電図を記録
- 自動の脈のリズムチェックで心房細動を検出
というのがApple Watchでできます。
心電図の記録はPDFとかで出力できるので
それを病院に持っていけばいいので気軽にできますね。
Apple Watchで心房細動が検出されなければ
安心というわけではありませんので注意してください。
一番簡単なのは
どの検査もメリットデメリットがあります。
一番簡単なのは、検査のところで
ご紹介しませんでしたが、
「検脈」です。
脈が不規則にうっているときは
心房細動を疑います。
脈をはかりましょうということで
3(みゃ)月9(く)日
という日が語呂合わせで決められました。
脈を定期的にチェックするというのは
なかなか大変だと思うので
Apple Watchなどの簡単に自宅で
チェックできるデバイスはいいかもしれませんね。
「脈の日」
「心房細動週間」
がもっと広まってほしいですね。