心房細動は早期発見が重要
心房細動は虚血性脳卒中の原因のひとつです。
心房細動の早期発見と治療で予防することが可能ですが、
症状がないため、治療されていない場合があります。
病院で行われる、ホルター心電図という検査では
24時間の心電図を検査します。
24時間の心電図検査でどのくらい心房細動が見つかるでしょうか?
24時間ではどのくらい見つかる?
Atrial Fibrillation in Patients with Cryptogenic Stroke
N Engl J Med volume 370, issue 26, P2467-2477 2014 DOI: 10.1056/nejmoa1311376
少し古い論文ですが、
24時間心電図と30日間のイベントモニターの
心房細動の検出率についてデータが出されています。
対象
過去6か月以内に潜在性虚血性脳卒中
または一過性脳虚血発作TIAを発症した
55歳以上の既知の心房細動のない
572人の患者をランダムに割り当てされています。
コントロール群:24時間の心電図モニター
対照群:30日間の心電図モニター
転帰
主要転帰:
無作為化後90日以内に30秒以上続く新たに検出された心房細動
結果
主要転帰(30秒以上続く新たに検出された心房細動)
については、
コントロール(24時間):9人/277人 (3.2%)
対照群(30日間):45人/280人 (16.1%)
なんと、30日間のモニタリングでは
24時間と比較して約5倍の検出率となりました。
抗凝固治療も早い
対照群では心房細動の発見が多いため、
経口抗凝固療法についても多くの患者に処方されたようです。
コントロール:31人/279人(11.1%)
対照群:52人/280人(18.6%)
約1.6倍の処方率ですね。
24時間では発見できるAf少ない
文献のデータでみると、
24時間と30日のモニタリングで
心房細動の検出率は5倍の差があります。
24時間のホルター心電図で検出されなければ
問題なしというわけではありません。
患者さんの負担の少ない範囲で長めに
モニタリングしたいですね。
30日でなくても、半分の2週間でも
検出率は10%をこえるようなので
最低限2週間でもいいかもしれませんね。
植え込み型の心電計や
Apple Watchなどでも心房細動の検出
ができますので、患者さんにあった
検査法の選択肢はたくさんあります。